それぞれの設備耐用年数への配慮 ~サーバルームファシリティ × ICT機器 × 建築~

T. Mogi

よく、耐用年数という言葉を耳にします。
この言葉を使われる職業の方は、財務経理の方は法定耐用年数かもしれませんし、建築関連の方で特にリニューアルを行なう方は修繕を意識した耐用年数かもしれませんし、製造メーカーの設計や修理の方は、製品の寿命を意識した耐用年数かもしれません。
我々のようなデータセンター業界に身を置く方は、冗長性を高めておくことによるディフェンスを考えますが、それでも設備を相手にしている以上、耐用年数を意識せざるを得ません。
しかしながら、耐用年数の話しをする前に、更新などの投資をする時期について、いわゆる保全について整理してみたいと思います。

 

予防保全と事後保全

予防保全

まず、「予防保全」です。
壊れないように事前に更新や修繕を行なう設備保全のことです。
決められた期間で、決められた内容の保全を定期的に行なうことで、壊れてしまう前に何らかの手を打ちます。
マイカーをお持ちの方でしたら、車検をイメージいただきたいのですが、自動車に故障が発生しないように定期的に点検したりメンテナンスしますが、これは予防保全と言えます。
自動車が故障する前に、新車に乗り換えるというのも、予防保全だと言えるかもしれませんね。

 

事後保全

つぎに、「事後保全」です。
設備が故障したり、能力が低下したり、不良品発生したりしますが、何かトラブルが起きてから設備を保全するので、事後保全と言われます。

これで、「予防保全」と「事後保全」の違いがはっきりわかるかと思いますが、同じ保全行為でも、全く意味が異なります。
『どうせ、冗長性を担保しているのだから、寿命ギリギリまで使う方が、コスト意識が高いでしょう・・・?』
このような考え方も理解できなくはないですが、サービスやシステムの心臓部とも言えるであろうサーバルームにおいて、事後保全はあまり使いたくない選択肢だと思います。
是非、皆さまにおかれましては、「予防保全」を意識していただきたいと思います。

 

ライフサイクルマネジメント

では、予防保全を行なっていくのが良いのだとするならば、コストはどうなるのでしょうか。
ファシリティマネジメントでは、「ライフサイクルマネジメント」という考え方を用います。
ファシリティの企画段階から、設計・建設・運営そして解体までのファシリティの生涯に着目して計画、管理を行なう考え方というのが定義となります。
予防保全をしていくには、ユーザーによる日々の点検だけでなく、メーカーやベンダーなどのサービスを享受します。
産声をあげてから墓場に入るまでに、どのようなライフイベントがあるのかを考え、意思決定していくのです。
また自動車の例え話になりますが、それぞれのイベントの時期や価格を検討、把握すれば、総コスト(TCO)がわかるでしょう。
(自動車における時期と価格:新車への乗り換え、車検、メンテナンス(部品交換)、廃棄etc)

※「TCO」については、弊社が運営しているData Center Caféに、詳しい記事を投稿しています。

将来を踏まえた、サーバルームファシリティの投資が重要に

予防保全と事後保全、ライフサイクルマネジメントをご理解いただいたうえで、サーバルームファシリティ毎の耐用年数のことについてお話ししたいと思います。
これまでにお話ししてきたことは、「将来を踏まえた、サーバルームファシリティの投資が重要に」について、お伝えしたかったということに尽きます。
冒頭に、職業によって、耐用年数の考え方が異なるというお話しをしましたが、ここではサーバルームファシリティの実務における耐用年数をどのように捉えるかとします。

[表]法定耐用年数表と各設備の耐用年数

表のように、対象となる設備は、耐用年数がそれぞれ異なります。
概ねであることはあらかじめご理解いただきたいのですが、建物は50年、電源や空調などの設備は15年、IT機器は5年、通信ケーブルは15年というのが一般的ではないでしょうか。

製品は、常に進歩や進化が求められます。
特にITの世界は日進月歩です。
競争の社会ですから、常にIT機器はより性能の高いものであったり、壊れにくかったり、省エネであったり、新しい機能や性能をもったものが登場します。
それ以上に耐用年数の長い、建物や電源や空調などの設備を、IT機器の進歩や進化を想定して創り込むのは、とても難しいですよね。
それでも、そのようなIT機器を支えているのは、建物や電源や空調などの設備、いわゆる「ファシリティ」であることは紛れもなく事実です。
少しでも将来を予測できるよう、アンテナを高くしておくには、トレンドを知っておく必要があります。
その先の投資を少しでも予測し工夫すること、そして十分に利活用できるようにしておくファシリティの計画が必要ではないでしょうか。

このテーマは、以下の点で整理できるのではないでしょうか。
・ICT利活用の停止が企業サービスの停止につながる。
・ICTダウンタイムを許すことができないサーバルームの基盤は『ファシリティ』である。
・日々要求を増すICT設備は処理能力、必要電力が向上しており、耐用年数も早い。(設備耐用年数よりはるかに早い)
・建物自体は建設当初からの改造に限界があるが、設備要求に電源や空調を含めたファシリティがIT機器に追随する必要がある。

未来を想定、想像して、サーバルームファシリティを創るべきと、言葉にするのは簡単です。
しかしながら、今のトレンドであったり、考え方であったり、どうあるべきというような、知識や知見を身につけるというのは、きわめて重要なことなのではないかと思います。

DC ASIAでは、皆さまのデータセンターのコンサルテーションを積極的に行っています。
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