アナロジーで考えるとわかりやすいシリーズ ~パート1:「サブネット」と「ピザ」

K-Iwasaki

「アナロジー(Analogy)」とは、2つの異なる事物や概念の間に類似点があることを指摘し、それを用いて理解や説明を行う方法です。日本語では「類推」とか「類比」となるようです。アナロジーは”まだ自分が知らない新しい概念”を、”すでに自分が良く知っている概念”を類比させることで、スムーズに理解するのに役立つ思考法です。

例えば、インターネットを高速道路に例えることで、理解を早めるのに役立ちます。

そこで、ここでは私たちのビジネスに関連するテクノロジーをアナロジーを使ってわかりやすく解説するシリーズを数回にわたってお届けしようと思います。皆様の理解を少しでもレベルアップさせるのに役立てれば幸いです。

さて、記念すべき第1回目は「サブネット」を「ピザ」のアナロジーを使ってわかりやすく理解してみようと思います。

コンピュータ・ネットワークの話をする際に必ず出てくるのは「サブネット」という言葉です。あるいはパソコンにIPアドレスの設定をするときにも「サブネットマスク」という言葉が出てきます。で、サブネットをウィキペディアで調べると…

サブネットとは、IPネットワークを論理的に細分化したもののことである。1つのネットワークを2つ以上のネットワークに分割することをサブネット化という 。 同一のサブネットに属するコンピュータは、IPアドレスの上位のビットが同じになっている。

ネットワークエンジニアの人は理解できると思いますが、素人には意味がよくわかりませんよね?そこでピザを使ってわかりやすく説明してみたいと思います。

その前にまず、ひとつの「IPネットワーク」にはそのサイズに応じた数のIPアドレスが含まれる、という前提を理解しておきましょう。ここでは「IPネットワーク」の意味は詳しく説明しませんが、「お互い自由に通信し合えるグループ」とざっくり理解しておいていただければOKです。

デリバリーピザ:何人でシェアする?

ここではピザ1枚(ホール)を1つのサブネットと仮定します。例えば一般的によく使われることが多い24ビットサブネット(/24)としてみます。


【解説】サブネットマスク:255.255.255.0とは、二進数では11111111.11111111.11111111.00000000であり、この1の数が24個あるので、24ビットのサブネット(=ネットワーク)と呼びます。


ちなみに24ビットのサブネットでは、256個(※予約済みの2個を除けば実質254個)のIPアドレスが取れます。ですが、このような説明だとわかりににくいですよね?そこで、ここでは「1枚のホールピザで256キロカロリー」と表現することにします。

このピザを1人で平らげると256キロカロリー消費することになります。同じピザを友人と2人で半々に分けて食べた場合は、それぞれ128キロカロリーになります。4人で分けたら一人当たり64キロカロリーです。このように人数が増えて1枚のピザを均等に分けていくと一人一人が食べられるピザのサイズとカロリー数は減りますよね?

もし4人の友人グループの中に特別にお腹がすいている人(Aくん)が1人居て、別の1人はダイエット中なのでピザはいらないというシチュエーションでは、Aくんに半分(128キロカロリー)、他の2人で64キロカロリーずつを分ければよいですよね?

基本的にネットワークの分割(サブネット化、サブネッティング)はこれと同じことをやっているだけです。例えば、先ほどの4人でピザを均等に分けた場合の例をサブネット化の考えに当てはめると、1つのサブネットは26ビット(/26)であり、それぞれのサブネットでとれるIPアドレスは64個(実際には62個)となります。

お腹空いてる!もっと大きなピザはあるの?

先ほどの例で取り上げた「24ビットピザ」はホールで256キロカロリーでした。この24ビット(255.255.255.0=11111111.11111111.11111111.00000000)は一般に「クラスCネットワーク」と分類されています。ネットワーク分類には他にもクラスAとクラスBがあり、これらはオクテット(ピリオドで区切られた8ビットの2進数)単位で分類されます。例えばクラスAは8ビット(255.0.0.0=11111111.00000000.00000000.00000000)ネットワーク、クラスBは16ビット(255.255.0.0=11111111.11111111.00000000.00000000)ネットワークとなります。

ピザの話に戻しますが、「クラスが変わるとピザのサイズが変わる」と考えればわかりやすいでしょう。例えばクラスCの24ビットピザ(256キロカロリー)はSサイズ、クラスBの16ビットピザはMサイズ、クラスAの8ビットピザはLサイズといった具合です。要するにSサイズで足りない場合はMサイズかLサイズのより大きなピザをオーダーすればよいのです。

ちなみにネットワークの世界ではSサイズとMサイズ、Lサイズとの大きさの差は激しいです!!例えばSサイズが先ほど256キロカロリーとしていましたが、Mサイズ(16ビット)では65,536キロカロリー、Lサイズ(8ビット)ではなんと16,777,216キロカロリーというギネスクラス(!?)の超巨大ピザとなってしまいます(;^_^A

なんとなく概念はご理解いただけたでしょうか?このようにアナロジーで考えると分かりにくいこともなんとなくわかってくるので便利ですよね?


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