サーバーの最適な電力設計値を自動算出してくれるdcTrackのAPB機能を検証してみた

K-Iwasaki

データセンターインフラ運用の効率化を支援する数多くの機能を有するSunbird dcTrackですが、今回は注目機能のひとつである「Auto Power Budget(オートパワーバジェット):以下APBと略します」について実際に弊社内のラボ環境で検証してみました。

まず、APB機能とはどういったものなのかについて簡単に解説します。

オートパワーバジェット機能とは、簡単に言うと、従来手動で計算されていたサーバーなどの各ITデバイスの電力設計値を、実測値に基づいて自動計算してくれる便利な機能です。dcTrackで自動計算された電力設計値は、ユーザーが決めたポリシーに応じて過不足のない最適な値であり、結果、各ラックに供給されている電源容量の利用率を高め、1ラックあたりの搭載台数を増やせ、次の拡張を先延ばしできるようになります。

Yahoo! JAPAN Tech Blogにも書かれていますが、1ラックあたりの搭載台数をできるだけ多くしたいとする中で、問題になってくるのが電力設備の容量のようです。サーバーの仮想化により機器の集約が進んだ中で、ラックの物理的なスペースが問題になるよりも、電力設備の容量不足がネックとなる場合が多くなっているようですね。

皆様がデータセンターのラックを利用される場合、どのようにサーバーなどのIT機器の消費電力を計算し、運用されていますでしょうか?定格電力の6割?7割?、それとも個別に計算されていますか?

APBを検証してみた

では、APBを使うとどうなるのか?を検証してみました。

今回の検証では、最近導入したDELL R440と古いIBM x3550M4を使いました。R440はDCIMデモ&検証用のVMがいくつも入っているマシンで、x3550M4は主に検証用途で使っているサブサーバーです。

尚、APB機能はコンセント単位の電力計測ができるインテリジェントPDUが必須となります。そこで今回検証ではRaritanのPX2-5138JR(1Uラックマウントタイプの8ポートPDU)を使いました。

DELLの電源はN構成としてパワーサプライ1と2をPDUのそれぞれアウトレット1と2に繋ぎました。IBMの電源はパワーサプライ1をアウトレット3に繋ぎました。

検証に先立ち、運よくR440についてはDELLの「Enterprise Infrastructure Planning Tool(EIPT)」というサイトがありましたので、そこで事前に想定消費電力を算出してみました。CPU、メモリやディスクなどのスペックを入力して、負荷100%で見ると279Wと出ました。ちなみにこのモデルの定格消費電力は550Wですので279Wはおよそ50%の数値となります。

APBではモデルごとに「ポリシー」を設定し、そのポリシーに応じて1週間に一度、最適な設計値が自動算出され、それが毎週更新される仕組みです。今回ポリシーの詳しい説明は省きますが、サマライズされた収集データの最大値に対し+20%のセーフティマージンを加えたポリシーとしました。

そして実際にAPBを有効にし、1週間後に自動算出された設計値は以下のようになりました。

  • 定格値(Watts(N)):550W
  • APBが算出した設計値(Watts(B)):168Wx2=336W
  • PDUが取得した現在の実測値(Watts(M)):136W(PS1)+128W(PS2)=264W

現在の実測値に20%(セーフティマージン)を上乗せするとおおむねAPBが算出した設計値になるのでほぼポリシー通りに算出されていることが分かります。また、実測値の264WはDELLのサイトで算出した279W(100%負荷時)にほぼ一致し、DELLのサイトでの計算はさすが正確である事も分かりました。

もうひとつ、IBMのサーバーについては、ほぼアイドリング状態であったせいか定格値750Wに対し、設計値はよそ9%の68Wと算出されていました。これはいわゆる「ゴーストサーバー」ですね(笑)

ちなみに、ダッシュボードで現在の設計値と実測値、そして設計値から実測値を引いた余剰電力(Stranded power)はいつでも確認することができます。

今回の結論

皆さんが各サーバーやIT機器の設計値をどのように決めていらっしゃるかわかりませんが、今回のDELLのように、便利な計算ツールが公開されていても、忙しい中での計算は少し面倒臭いものがあります。そして全ての機器で同じような計算が出来るわけではありませんので、結果的に設計値というものをキッチリ管理していくのは困難であると感じました。

実際にeBayやコムキャスト社などで、この機能を活用いただき、40%も電力利用効率、スペース利用率が高まったとの成功事例もあるように、各ラックに供給されている電源容量の利用率を高め、1ラックあたりの搭載台数を増やし、次の拡張を先延ばしできるようにするために、このオートパワーバジェット機能は非常に役に立つ機能であるということが分かりました。


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