データセンターIT資産管理におけるマスタの重要性 ~ISMSとDCIM

K-Iwasaki

ISMS(Information Security Management System)とは、日本では「情報セキュリティマネジメントシステム」と呼ばれています。

ISMSでは、「情報資産の管理を行う必要がある」とされています。尚、情報資産には、人・システム・会社固有情報等が含まれており、単にITシステムのみを指してはいません。資産というのは財産ですので、守る必要がありますね。そこで、「情報資産の管理」がキチンと上手く実践されているかを審査され、認証されることで「ISO27001」が取得できる、ということになります。

情報資産の管理では、それらを明確に識別し、重要な資産総ての目録を作成し、維持していくことが必要となります。目録には、資産の種類・形式・所在・バックアップ資源・ライセンス情報・業務上の価値等の項目が必要とされます。そしてそこに、管理責任者を指定するように求められています。

この中で「重要な資産」という項目があります。これについてはそれぞれの会社の業種や属性によって判断は異なるかもしれません。しかし、「IT資産」に限定すると、どの会社でも同様となります。

当然のことながら、サーバ・PC・各種システムはその範疇に入ってきます。IT資産の宝庫であるデータセンターでは、この管理において最も難易度が高い業種であると言えるでしょう。

IT資産は大きくはハードウェアとソフトウェアに分類されるわけですが、さて、そのうちの一つ、ハードウエアの資産管理は、エクセル台帳などで行っている場合が大半であると思われます。当ブログでも何度もお話ししていますが、このエクセル台帳というものは導入への敷居(コスト、とっつきやすさ)が限りなく低いという魅力もあってか、ついつい導入してしまう傾向があるかと思います。これは導入初期はおそらく問題ないのでしょうが、しかしある時点から徐々に破綻の道を歩むことになります。

そのひとつの理由が「マスタ管理」の問題です。

「マスタ」の重要性

例えば、人事システムには人事マスタがあり、販売システムには顧客マスタがありますよね。このマスタがしっかり管理されていることで、運用担当者は常にマスタから適切なデータを抽出し、似たようなデータの多重登録を防いでいます。もちろん同様に情報資産管理システムにもマスタが必要です。
マスタがあるから、システム的な管理が出来るというのは、システム側からすると当然なんですが、実はアナログ的に対応されている企業は意外にも多いようです。

 その典型的な一例が「エクセル台帳管理」です。エクセルはデータベースシステムではないため、マスタという概念はそもそも存在しません。VBAやVLOOKUP関数などを駆使してエクセルでマスタ管理をされている強者の方々もいらっしゃるようですが、結果的にあらゆる側面で無理が生じます。

このようなエクセル台帳で運用を続けていくと、いつしか、同一資産ではあるが、表現の異なるアイテムが生まれていき、情報の整合性を確認するムダな時間や、誤った情報を元に運用をすることでのリスクも高まります。
まあそれ以上に、このような状態は、ISMSで求められている「情報資産の明確な識別」が出来ているとは決して言えません。

情報資産の管理を行うのに、エクセルでキチンと対応が出来ているのか?といった点をまずは確認してみましょう。

DCIMによるマスタ問題の解決

さて、データセンターのIT資産管理でいう「マスタ」とは何でしょうか?顧客やユーザ情報もありますが、やはりそれぞれのメーカー、機器が最も重要なマスタであると考えます。

データセンターのハードウェアIT資産管理に特化したツールであるDCIMシステムでは、このマスタ管理は徹底されています。ひとつの例をご紹介しましょう。

Sunbird dcTrackでは、「モデルライブラリ」というマスタを持っており、これには現時点で4万点を超えるIT機器の仕様データが含まれています。更にそれらは毎月随時更新され、ユーザは労せずマスタデータの恩恵にあずかれます。もちろんユーザによるマスタデータの登録についてもGUIで簡単に行えますので、マスタ管理に困ることはありません。(他にもコネクタライブラリやパーツライブラリというマスタもあります)

そして実際にIT資産アイテムを登録する際に、マスタからサクッとデータを呼び出し、迅速かつ適切なモデルが登録できます。これで、ISMSが求める「資産の種類・形式」の管理がしっかりと行えるわけです。

ちなみに本ブログでは説明は割愛しますが、「資産の所在」についてもDCIMでは完璧に管理します。(というかそれがそもそもDCIMツールの最たる機能のひとつ)
どのデータセンターの、どのサーバールームの、どのラック列にあるどのラックの何U目の表裏どちらに機器が搭載されているか?を管理し、そして容易にそれを探し出すことが出来ます。

このようにDCIMツールは、「情報資産の管理」をキチンと上手く実践する為に絶対に欠かせない重要なツールなのです。ぜひ今すぐ、あなたの情報資産を守るためにDCIM導入の検討を始めましょう。

(共著:M.M氏)


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