データセンターの運用自動化を推進したSunbird DCIMの導入成功事例 パート1

K-Iwasaki

データセンターの管理者は、運用時間の短縮や、データの正確性を高めるために、タスクの自動化手法をより追い求めるようになってきています。

先日開催されたSunbird社の運用自動化に関するウェビナーでは、eBay、MacStadium、シカゴ大学のデータセンターの専門家らが、APIなどによるインテグレーションでデータセンターの運用自動化を推進した手法に関する、実際の活用事例やアイデアについて紹介してくれました。
ここでは、Sunbird DCIMソフトウェアがいかにしてデータセンターの運用管理を劇的に簡素化したのか?について、彼らのプレゼンテーションから得られた重要なポイントを3パートに分けてご紹介します。

パート1. eBay、電力予算の計算と更新を自動化

最新のDCIM ソリューションを導入する前の eBay は、キャパシティプランニングをしたくても、特に最新の機器や新しいアプリケーションの電力使用量を特定することが難しく困っていました。メーカーや、ハードウェアエンジニア・チーム、データセンターの同僚、アプリケーションの管理者などに意見を求めても、完全に信頼できる情報を得ることはできませんでした。コロケーション事業者は、要求に応じてラック単位の電力使用量を提供してくれますが、それはたった一瞬のスナップショット情報でしかありませんでした。

そこでeBayは、DCIMを全拠点に展開する際に、dcTrackのAuto Power Budget(オートパワーバジェット)機能を活用する事にしました。Auto Power Budgetは機械学習アルゴリズムで、実際の環境での各デバイスの使われ方に基づき、各デバイスインスタンスのパワーバジェット・プロファイルを自動計算します。

グローバル・データセンター・エンジニアのケン・トーレス氏は、「Auto Power Budgetを始めるのはとても簡単だった」と述べています。

eBayはAuto Power Budgetのポリシーを設定し、電力消費量のプロファイルを更新する曜日と時間、最大電力使用量の20%の安全マージンを設定しました。
Auto Power Budgetは、10分ごとにeBayのインテリジェント・ラックPDUの各コンセントに対しポーリングを行い、環境内にあるすべての電源負荷について、非常に正確なデータを得ることができます。

「(1つのコンセントにつき)1週間あたり約10,000回の電力計測を行っている」とトーレス氏。「これは非常に詳細なデータです」

トーレス氏は、Auto Power Budgetの価値を示す一例として、ある機器のデモンストレーションを行いました。

「この機器の元々のパワーバジェットは450ワットでしたが、Auto Power Budgetによってそれは銘板電力の45%に調整され、339ワットになりました。大したことではないと思われるかもしれませんが、私たちにとっては大きな問題です。元々の電力とバジェットの差を計算すると、約10kWになった。これは決して少ない電力量ではありません」

これらの新しく調整された電力プロファイルをベースに、eBayはSunbird DCIMソフトウェアが持つインテリジェントなキャパシティ検索機能を使用して、サーバーを配置可能な理想的なラックを特定し、更にwhat-if分析でプロジェクトがキャパシティに与える影響を確認しました。
最終的には、Auto Power Budgetの効果で、eBayはより少ないキャパシティ、より少ないフロアスペースでより多くのコンピューティング能力を得ることができたのです。

トーレス氏は、eBayのコスト削減につながった具体例を次のように挙げています。

eBayがAuto Power Budgetを導入する前のとある拡張プロジェクトで、計算した結果、6か所の拠点それぞれに6ラックの増設が必要であると判断していました。今年、同じようなプロジェクトがあったのですが、Auto Power Budgetを導入したことで、その6拠点に対し、実は4ラックしか必要なかったことがわかりました。

「ラック、電源、DCIM、電源やラック自身の設置を含めると、1ラックあたり約1万ドル(約100万円強)程度かかります。つまり、今回のプロジェクトだけで、約12万ドル(約1,200万円強)のコスト削減に繋がりました。これはかなり重要なことです。これは、役員や上級管理職に伝えたいことのひとつです」

DCIMソフトウェアとServiceNowとの統合による自動化

eBayは、dcTrack DCIMソフトウェアとServiceNowとの統合(インテグレーション)による運用自動化も実現しています。

トーレス氏は、「プロジェクトでは大抵、DCIMにすべての情報を入力するのですが、機器の導入段階ではシリアル番号やアセットタグ番号はまだわかりません。情報が分かった後でまた同じ画面に戻るのではなく、ServiceNowと統合することで、運用チームがServicenowでシリアル番号やアセットタグ番号を追加すると、自動的にそれがDCIM上に反映されるようになりました。この連携のおかげで、双方のチームの作業をかなり減らせました」

更に、グローバルデータセンターエンジニアのマーク・ジョーンズ氏は次のようなメリットについても話しています。「DCIMにラックをまだ登録していなかったとします。もし運用チームが何かをインストールした場合、ServiceNowはどのラックの何UにマウントされたかをDCIMに伝え、ServiceNow上で入力されたアイテムは自動的にDCIM上にも登録されます」

パート2に続く


Sunbird DCIM / ブログ記事からDC ASIAにて一部抜粋・抄訳
Sunbird DCIMの製品概要ページはこちら

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