リアドアを用いたサーバ冷却

T. Mogi

空冷サーバの冷却として、リアドア方式を皆さまはご存知ですか?
様々なラック冷却方式よりも、大容量の冷却が可能な方法として、データセンターに関わる方は、既に知っている方式かと思います。
しかし、従来のデータセンター空調方式が市場では多く利活用されていることも、また事実です。
よって、リアドア方式は知ってはいても、詳しくは知らないという方も多く、改めてご紹介したいと思います。

 

リアドアとは?

多くの空冷サーバは、前面から冷たい空気を吸って、背面へ排熱として排出します。
サーバルームの冷却の課題は、エアフローと言われますが、従来の空調方式だと、空気の往路(冷風)と復路(温風)が遠いことで、大変管理が難しく、かつ損失が大きいことで、悩ましいです。
ラック背面に冷却装置を取り付けることで、より直近傍で冷却できますし、ラック背面の扉を冷却装置に置換することもあって、一般的な名称でリアドアといわれています。
発生する熱(サーバ)を、そのまま冷却することができるので、大変効率がよいといえます。

 

パッシブ方式とアクティブ方式

リアドアでは、2つの方式があります。
ひとつはパッシブ方式といい、大変おおまかな言い方をしますと、ファンレスのドアとなります。
冷却装置(ドアの熱交換器部)に冷水を送水させ、サーバからのファン排熱を冷却装置に送風する方式となります。
もう一方は、アクティブ方式といい、ファンをドアに内蔵させます。
サーバのファンの能力に、リアドアのファンの能力が付加されることになるので、よりきめ細かな風量の管理が可能となります。
一概にどちらがよいかは、ユーザによったり、どのような設計を目指すのかによりますが、パッシブ方式は導入コスト重視、アクティブ方式はランニングコスト重視といえそうです。
よく、パッシブ方式の方が、ファンがない分、ランニングコストが少ないのではという話しを聞きますが、リアドア自体、風量抵抗があることから、サーバのファンに大変負荷がかかります。
アクティブ方式はファンを回転させて、サーバのファンへの負荷を低減させるので、結果として全体の電力削減が期待できます。

 

リアドアに必要な付属品とは

ドアの冷却装置が主体ですが、機能させるには、いくつか付属品が必要となります。

【付属品概要】
・冷水フレキシブルホース:冷水の往路と復路に接続する配管が必要になります。
             施工や接続のしやすさと、地震時など揺れへの柔軟さを加味することからフレキジョイントを利用します。
・電動弁:冷水の流量を制御するための電動弁が必要です。
・センサー類:冷水温度や空気温度、圧力を検知するセンサー類が必要です。
・モニター/コントローラ:制御用のモニター/コントローラが必要です。設定や警報表示など、用途は様々です。

 

リアドアの構築コストを下げたい場合ですが、アクティブ方式の場合は制御上付属品一式が必要になるものの、パッシブ方式で細かい制御が不要の場合は冷水を供給するフレキシブルホースだけで運用するケースもあります。

 

リアドア製品のご紹介

我々DC ASIAでは、リアドアの取り扱いをしています。
冷却する熱量が大きなものまで様々にラインナップがあります。

 

Motivair製 Chilled Door

Motivair | ChilledDoor
 アクティブ方式 
 冷却能力 : 約12kW~75kW/ラック

 

 

 

 

nVent製 RDC

nVent | RackChiller Rear Door Cooler
 パッシブ方式 / アクティブ方式
 冷却能力 : 約30kW~50kW/ラック

 

 

DC ASIAでは、皆さまのデータセンターのコンサルテーションを積極的に行っています。
相談してみたら、データセンター構築や運営のヒントが見つかるかもしれません。
データセンターファシリティの知見について、DC ASIAは小さい会社ながらも自信を持っています。
小さな疑問でも結構ですので、是非ご相談ください。

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