~シリーズ~ サーバルーム空調と配線の関係性を考えてみる:サーバルームの電源と通信の配線方法はどうするべきか

T. Mogi

シリーズ最終回、「サーバルーム空調と配線の関係性を考えてみる」というテーマの第3弾となります。
第1回は「フリーアクセス床と配線の関係」ということで、第2回は「サーバルームの配線は床下がいいの?、架上がいいの?」ということで、お話ししました。

最終回は「サーバルームの電源と通信の配線方法はどうするべきか」というテーマとなり、とかく混み合う配線路に対し、空調を意識した方法論についてお伝えできればと思います。

電源配線方法

ラック当たり何kWという考え方にして、容量設計を行ないます。
力率を勘案しなければいけませんが、電力(kW)は、「電圧(V)×電流(A)」で示されます。
IT機器は一般的に、電圧は交流100Vか200Vで動作しますので、あとはどれくらいの電力を使うかによって、電流値が決まってきます。
電流値が決まれば、必要なブレーカ容量が決まりますので、ブレーカ選定が可能になり、回路数を決定できます。
一般家庭では、様々な位置にコンセントを設けますが、コンセントを単独回路にすることはあまりありません。
そこまでいっぺんに同時使用することはないので、ある程度は「たこ足配線」でよろしいとしているのです。
しかし、ラックへの電源はそうはいきません。
稀にたこ足配線をしているサーバルームを見かけますが、よほどの場合を除き、回路あたりのコンセントバーは単独にして欲しいとお願いしています。
前置きが少々長くなりましたが、例えば、ラック当たり4本(4回路)とか、複数本必要になってくるといいたかったのです。
ラックへの電源配線の本数は、ブレーカの回路数分の配線が必要になるのと、電圧種類(100V or 200V)分の配線が必要になるからです。
よく会話の中で、「ラック当たり8kWで、4PDUです」と、いうようなキーワードが出てきましたら、おおよそこれまでに記載した内容を思い浮かべることができるでしょう。

さて、本題ですが、サーバルーム内のラックは、1本や2本でしたら、そこまで深く考える必要はないものの、恐らくは数十本、数百本レベルになるかと思います。
そうなりますと、自ずと電源の配線本数は膨大な量になってまいります。
第1回目の「フリーアクセス床と配線の関係」で、分電盤付近の配線量が多くなると述べたのは、そういった背景があるからです。

配線をスマートにする方法として、分電盤を壁面からいっぺんにするのではなく、ラック列単位にすることで、かなり効率化が図れます。
空調機と配線ルートの関係性を検討する中で、最短かつ通路を跨がないという原理原則を実現できるからです。

(図)左:効率な電源配線 右:非効率的な電源配線

 

簡単な図にしてみましたが、空調機、ラック、分電盤、配線を全体的にイメージしますと、いかに効率的かをご理解いただけるかと思います。

 

 

 

 

 

また、バスダクトを使うことも大変効率的です。
配線の場合、分電盤から必要なブレーカ回路数を分岐させて配線するのですが、バスダクトは幹線からそのまま必要なブレーカ回路を、PIU(プラグインユニット)を使って抜き出すことができ、非常にスマートです。
効率的な使い方(考え方)になりますが、ラック当たりに必要な回路数分を、PIUとして抜き出せば、「ラックの本数 = PIUの数量」ということになり、管理もしやすいでしょう。

こちらも簡単な図にしてみましたが、いかに効率的かをご理解いただけるかと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

通信配線方法

ネットワークケーブリングの効率化は、「先行配線」が大変重要になってきます。
あらかじめ配線方法を統一化し、ラック内のパッチ接続変更のみで、ネットワークの構成を変更可能にすることができ、都度配線をしないようにします。
都度配線にすると、とにかく配線が煩雑になり、どこに配線が何本しているかなど、大変わかりにくくなります。
また、配線ポリシーを当初の思想から引き継ぎ続けることは大変至難であり、守られることはほとんどありません。
よって、先行配線することは、配線の接続変更が容易であることの他、障害時の復旧時間の短縮や、セキュリティーの向上(最低限の人の滞在と導線)が期待できるのです。

簡単な図にしてみましたが、将来性なども含め、非常に効率的であることをご理解いただけるかと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、いかがだったでしょうか。
ちょっと長編になってしまいましたので、3本に分けたシリーズ化にしました。

改めてお伝えしたいのは、サーバルームの運用は、全体最適を求めるために、ひとつの設備だけのことを追求すると、他が満足しないことが大いにあるということです。
それぞれの関係性というものをよくよくイメージしていきたいものですね。

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