「生きた完成図書」としてDCIMはフル活用できるから一石二鳥

K-Iwasaki

データセンターのサーバールームのインフラ設備工事が完了すると、担当業者からは必ず「完成図書」というものが提供されます。この「完成図書」には、B工事やC工事、あるいは施工範囲に応じて異なる情報が含まれますが、以下のような情報が含まれることがあります。

  1. サーバールームの平面図
  2. 配線図(ネットワークケーブル、電源ケーブル、光ファイバーケーブルなど)
  3. ラック配置図
  4. 冷却システム図
  5. 電源システム図
  6. ケーブルトレイ図
  7. 防火システム図
  8. 監視カメラ配置図
  9. セキュリティアクセス図

他にもサーバーベンダーやネットワークベンダーなどがシステムの導入工事を行った際には、ラック内機器収容図や、ホスト名・IP関連の設定情報などが完成図書として納品されます。

どの現場でも、完成図書が納品されたタイミングでは、サーバールームは非常に整然としており、図書に記載されている情報は現場と完全に一致しています。そしてその後は利用ユーザーによる運用フェーズに入っていくわけですが、実際に納品された完成図書が運用の中でどれだけ活用されているかについて疑問が生じます。

完成図書が運用の中で活用されるケースは、例えば拡張工事を計画する際に、ラックの配置や配線経路などを確認するために使用されることが一般的です。その後、拡張、移設、撤去工事などが行われると、それに伴い毎回別の完成図書が納品されます。そして、図書は変更のあった一部分のみであることもあります。

サーバールーム内では、さまざまな業者が様々な工事を行っているため、運用開始から時間が経つにつれ、図書の数は増え、断片化していきます。これにより、図書の整理やバージョン管理が複雑になり、閲覧性が低下してしまいます。

業者が丁寧にまとめた完成図書がこのように煩雑化し、場合によっては運用上のストレス要因となることは本末転倒です。

DCIMを「生きた完成図書」として日々活用する

このような問題を解消する一つのアイデアは、DCIM(データセンターインフラ管理)データベースを生きた完成図書として活用することです。

DCIMは、データセンターおよびサーバールーム内のファシリティとITにまたがるあらゆる情報を包括的に管理する能力を持っています。これらの情報の多くは、実際の完成図書に含まれている情報と同様です。さらに、DCIMは日常の運用計画から移動・追加・撤去(MAC)作業までの業務をワークフローで管理する機能も備えています。PDF外部リンク機能を使用することで、完成図書内の情報には全てDCIMツールからアクセスすることができます。また、変動する電力や温度などのライブ計測データも、たとえばフロア平面図上に表示することが可能です。

このような完成図書情報と変更管理機能を同時に備える便利なツールを使用しない手はありません。

データセンターは常に変化する生きた環境です。このようなダイナミックに変化する情報を、DCIMを使って生きた完成図書として活用することで、運用の効率化だけでなく、これまで見えてこなかった無駄や潜在的なリスクも可視化されます。そして最終的には省エネや設備投資コスト削減の効果も同時にもたらすでしょう。


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