コロケーション事業者とテナント双方に多くのメリットをもたらすDCIM

K-Iwasaki

データセンターのITインフラと設備インフラは本来切っても切れない密接な関係性にあります。
設備側は常にIT機器を正常に稼働させるための設備リソースの安定供給が要求されます。例えば電力容量や冷却能力、あるいはスペースなど、ITが要求する設備リソースが不足してしまうとサービスインが開始できなかったり、稼働システムの障害を引き起こす原因になります。しかし一方で、現在脱炭素化が叫ばれる中、必要以上の余剰があってもいけません。余剰な設備リソースはCAPEXやOPEXを上昇させ、企業の財務状況を圧迫します。

昔から企業のIT部門と設備部門との間には考え方に大きな溝があり、また情報連携が出来ていないことで、無駄や予期せぬ障害の温床となっていました。
設備部門とIT部門は、今でもビル設備とIT設備をそれぞれ別のシステムで管理をしています。これは通信プロトコルの違いもあり、伝統的に受け継がれたものでもあります。しかしそれでは先に述べた問題を解決することはできません。

そこで、そのような問題を解消するためにDCIMが生まれました。
DCIMは設備とITの情報を融合し一元的に管理し、IT要求に対する設備リソースのキャパシティを可視化することで、設備インフラの効率性を高めたり、障害リスクを減らし可用性を高めてきました。

コロケーション事業者にとってのDCIM(=設備監視)

さて、DCIMとは「設備とITの情報を融合し一元的に管理する」ことでデータセンターにおける様々な課題を解決してきた、と説明しました。
では、コロケーション事業者にとって、そのようなDCIMのメリットはどう映るでしょうか?

私たちにはコロケーション事業者からもしばしば「DCIMを導入したい」といった問い合わせが入ります。
しかしその目的の多くは自社DC設備側の監視目的がほとんどで、彼らの多くは「ITについては責任範囲外であるため関係ない」としています。
確かにこれは当然のことです。コロケーション事業者はテナント企業が借りるラックまでがその責任範囲であり、ラックへの安定リソース供給さえできていれば、その先のラック内はテナント企業側の責任範囲です。
そのような理由から、現状ではほとんどのコロケーション事業者が導入するDCIMとは設備監視機能部分のみにとどまっています。

テナント企業にとってのDCIM(=資産管理)

一方、コロケーションエリアを借りるテナント企業はどうでしょうか?
彼らは、ラック内に実装された自社IT機器の資産管理を始め様々な独自の管理台帳を持って運用を行っています。
テナント企業はおそらく借りたラック内により最大限まで機器を詰め込みたいと考えるでしょう。しかし、実際には電力容量の使用状況の正確な把握は困難であり、結果的にその目的を果たすことはできていないでしょう。
もし、コロケーション事業者から定期的に使用電力レポートを受け取ったとしても、その情報だけでは不十分です。

DCIM(設備監視+資産管理)がコロケーション事業者とテナントにもたらす効果とは

DCIMは、コスト削減、効率化、サービス提供の質の向上を実現しますが、コロケーション事業者は、単なる設備監視だけではなく、ラック内資産管理機能も含めた機能を有するDCIMを導入し、その中から顧客が必要とする情報のみをサービスとして提供する付加価値サービス(サブスクリプション)を提供し、他社とのビジネスを差別化することができます。

一方、テナント顧客は従来の台帳に代わりサービスとして提供されるDCIM上で資産管理を行いつつ、今現在の実際の使用電力を知ることも可能となり、ラック実装密度を最大化できるようになります。

このようなサービスはクラウド上から提供する事も可能であり、顧客はリモートから現在のデータセンターの状況を把握できるので、運用の効率も格段にアップします。
これは複数サイトの管理も一元的に行えるため、利用顧客がこの利便性を認めれば、事業者がサービスで顧客を囲い込む戦略としても使えるでしょう。

事業者側としては更に、顧客の設備の最新の利用状況を完璧に把握でき、事業者と顧客間の情報誤差がなくなることで、リモートハンドオペレーションをスムーズに遂行できるようになり、サービスレベルを向上させられるでしょう。

このように事業者、テナント顧客双方にとって利便性やコスト削減など非常に多くのメリットをもたらすDCIMサービスですが、その先にあるもうひとつのメリットとして、「データセンターの効率化」がもたらされると考えます。
設備側(事業者)とIT側(テナント顧客)双方の情報連携の実現は、テナント顧客による設備リソースの効率利用に繋がり、結果的にデータセンター単体での様々な効率性を高めます。
これはテナント顧客のメリットのみならず、データセンター事業者にとってのメリットでもあります。そしてこれは特に近年の脱炭素化に向けての取り組みにも寄与するでしょう。

まとめ

コロケーションデータセンターにDCIMを導入しサービス化することでもたらされると思われるメリットを、コロケーション事業者とテナント企業それぞれに分けてまとめてみました。

コロケーション事業者としてのメリット

  • 付加価値サービスを提供することで他社とのビジネスを差別化できる
  • ソフトウェアサービスの利便性が認められれば顧客を囲い込むことができる
  • ラック内の機器設置状況が可視化されることで、リモートハンドサービスの運用効率化
  • データセンター全体の効率化(PUE、CO2排出量、スペース効率、など)を実現

テナント顧客としてのメリット

  • 従来の非効率的なレガシー台帳から先進のDCIMでの管理に変わり、可視性向上や運用負荷を軽減
  • リモートから現在のデータセンターの状況を把握できるようになり、利便性と運用効率を向上
  • 実際の使用電力の可視化できることで、ラック実装密度を最大化し、コストを抑制
  • リモートハンドサービス依頼時の担当者の負荷を軽減

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